麻布大学環境科学科では気候変動分野の教育・研究の一環として、2021年からキャンパスで生物季節と気象の観測を行っています。今年は夏季休業中に100年近い歴史を持つ成蹊気象観測所(成蹊中学・高等学校)を見学に行きました。
まず、成蹊学園史料館で成蹊学園全体の歴史や古い気象測器の展示を見学しました。歴史的な史料に加えて大型スクリーンでの映像やジオラマなどがあり、成蹊学園では設立当初から理科教育を柱の一つにされてきたことなどを楽しみながら学びました。
その後、成蹊中学・高等学校で運営・管理されている成蹊気象観測所を、田中博春教諭に解説していただきながら見学しました。成蹊気象観測所は1926年に観測を開始し、1942年から1976年まで気象庁の補助観測所に指定されており、現在も気象庁と同じ方法で観測しています。加えて、観測開始当初と同じ方法での観測も継続しているのが大きな特徴です。アナログの観測機器と最新のデジタル観測システムを見せていただき、人手による観測で工夫している点や、1日も休まず100年間継続するために努力されている点などについて、田中博春教諭からお話いただきました。
成蹊中学・高等学校ではサクラの開花やセミの抜け殻などの生物季節も観測しています。100年前から観測しているサクラの木を保守するご苦労を伺ったり、部活動の一環で実施しているセミの抜け殻収集の様子や解析結果についてお話を伺いました。また、本学で実施しているセミの抜け殻の時系列調査の結果について環境科学科4年生が紹介し、意見交換も行いました。多くのことを学んだ見学会となりました。
<参考>
・2022.11.04 NHKのウェブページに、成蹊中高で開催された「せみのぬけがら調べ」が
掲載されました
・2022.09.13 武蔵野ふるさと歴史館連携の子ども講座「セミのぬけがら調べ」を開催
麻布大学 生命・生命環境科学部
・2024.07.08 NHK総合:「午後LIVEニュースーン」に取材協力しました
・2022.11.17 生物季節観測2022年夏:セミの初鳴きと抜け殻調査